隠れた名作、『聲の形』の感想とそこから伝えたいこと。

 

こんばんは!

聲の形が8月25日に放送されてからもう1週間経っちゃいましたね!

 

そして先日の再放送、皆さん見ましたか?^^

ようやく感想記事がまとまったのでぜひご覧になってください!

 

前回の紹介記事はこちら!
一昨年の夏に出会い思わず涙したアニメ映画【聲の形】がNHK Eテレで放送されると知って。

 

 

全体的な感想

 

決して明るい、穏やかな気持ちで見ることはできないこの作品。じゃあどうして良作だ!と言い切ることができるのかというと、とにかく聲の形は人間関係のぎこちなさ、脆さというものを丁寧に表現していると思ったからです。

 

人それぞれに学生時代の多くの記憶がありますよね?

また、この記事を見てくださっている方の中には今現在学生生活を謳歌されている人もいると思います。

 

決して良い思い出ばかりではないでしょう。

 

学生の頃、思春期は感情の揺さぶりが激しく、思いがけないことで友人とはしゃぎそして思いがけないことで友人と喧嘩したと思います。

 

今思えばどうしてあんなことで喧嘩をしたのだろうと思うことはありますがそれだけ学生時代の少年少女は繊細な心を持っていると自分の中で解釈しています。

 

そして何よりこの作品のキーワードとなるのが『いじめ』

 

いじめの問題は簡単には語ることはできません。

 

被害を受けている人たちの心の痛みは可視化できないから。

 

ですが、目を背けてはならない問題でもあります。

いじめ問題を語る際にさまざまな題材が取り扱われますが、『聲の形』もその中の1つになってほしいと思っています。

 

登場人物の考察

石田将也

幼少期の彼は割とどこの小学校にも1人はいたであろう悪ガキだったと思います。笑

興味がわくとすぐに行動してしまう、その行動がどんな影響を与えるかは考えずとにかく衝動任せに動いちゃうみたいな。

 

硝子に対するいじめ、そして気がつけば自分はクラスの中心から非難の対象に。

 

1つの行動がきっかけで立ち位置が180°回転してしまうなんてことは多々あります。

補聴器の弁償のために将也のお母さんがお金を降ろしているところを見て驚いた顔をするあたり、少なからずお母さんに対して申し訳ないという気持ちはあったのでしょう。

 

きっと幼少期の将也も思いやりや人の気持ちを考える優しさみたいなものはあったと思うんです。

 

ただ彼の衝動的なところがとにかく悪い方向へと導いてしまった、そしてそれが今後生きていく中で大きな負担になってしまった。

 

高校生になりバイトと身辺の物を売ったお金で補聴器代をお母さんに返した後に死ぬことを覚悟するほどの。

 

周囲との関係性にできてしまった溝を埋めるため多くの苦難を乗り越えそしてやってきた学園祭のシーン、きちんと周りに耳を傾け、人の表情をきちんと見るという決心によってバツ印がはがれていくところは自然と涙が出てしまいました(´Д⊂ヽ

 

西宮硝子

幼少期の硝子は周りとコミュニケーションをとろうとよく頑張っていたと思います。

 

筆談だとスムーズにコミュニケーションはとれませんが、それでも気になったこと分からないことがあればきちんと自分から聞きに行って環境に溶け込もうとする努力をしていました。

 

そんな彼女の弱かったところは「全て自分が悪い」と思い込んでしまうこと。

 

どれだけひどいことをされてもごめんなさいと言ってしまう心の弱さは周囲にも違和感を与えてしまい余計にのけ者にされるきっかけになってしまった。

 

確かに人それぞれ心の強さ弱さに違いはあります。

ですが「全て自分が悪い」と思うことは正しくないと思います。

 

相手の非まで自分のものにする必要は決してない、相手が悪いならきちんと悪いと言う、これって本当に簡単なことのようで難しい大切なことだと思います。

 

高校生になり再び将也と出会ってからもやはり人と関わろうとする気持ちは変わっていませんでした。

普通だったら昔いじめを受けていた相手に再会してもコミュニケーションをとろうなんて思う人はほとんどいないでしょう。

 

ただ将也と周囲の関係性が悪くなるにつれて再び「自分のせいで将也が不幸になってしまう」という風に思ってしまい、最終的には飛び降りようとしたというのは、やはり心の弱さを克服することは簡単ではないということの現れなのでしょう。

 

でも聴覚障害を抱えながらも必死に周囲との関係性を修復していこうとしていく彼女の姿はとてもたくましく感じました。

 

西宮結弦

この子が理解のある子でよかった。笑

 

きっと人のことをきちんと考えてあげられる子じゃなかったら将也は硝子と理解し合えないままだったかもしれないし、将也自身生きる意味を失ってしまってたのでは無いのでしょうか。

 

西宮家の誕生日会のシーンなんてほんと見ててひやひやものでしたよ、結弦ナイスフォロー!(∩´∀`)∩笑

 

永束友宏

最初はなんだこの盆栽みたいな頭、って思いました。笑

 

でもこうした特徴のある人って学校でも覚えてもらえやすいですよね(´▽`)

 

彼はとにかく良い人だった、この一言に尽きますね。

ぐいぐいと人に寄り添っていく性格によって将也とその周辺の人たちとの関係性が円滑になったと思います。

 

将也に水門橋でひどいことを言われたにもかかわらずとにかく寄り添ってあげようとした、強靭なメンタルがないとなかなかこんなことはできないですよ、ほんと。

 

植野直花

けいおん!の澪に非常に似てると思いました。

(作画が京アニという点で一緒だからそういうこともあるでしょ!笑)

 

将也に対する恋心ゆえに行動や言動が周りに対して酷くなり意地悪な子、嫌な子ってイメージが強くなっている気がします。

 

でも植野の言っていることは基本的に筋が通っていて、決してただ相手を罵倒したいだけのために物事を発言しているような気はしなかったです。

 

観覧車に硝子と一緒に乗った時にはきちんと自分の考えをぶつけて少しでも理解してあげようとしているな、という風に見てとれました。

 

ただ人との付き合い方が少し不器用なだけで決して悪い子ではないんだろうなって思いました♪(*‘ω‘ *)

 

佐原みよこ

確かに弱い子ではあるかもしれないですが、硝子に寄り添ってあげようとする気持ちは幼少期であっても高校生になっても誰よりもあったと思います。

 

作中ではあまり目立ちませんでしたが実際にこういう出来事があったらと考えたときに、陰ながら頑張っていたと言ってあげて欲しい子です^^

 

川井みき

川井さんはまぁ、うん触れない。笑

 

ただ実際にああいう子もいるよね、ある意味川井さんは最初に書いた人間関係のぎこちなさを表現するのに一番必要な子だったかもしれないです。

 

石田美也子(将也の母)

明るい素敵なお母さん。

 

将也を叱ることはあっても最後には明るさと優しさで包み込んでしまう聖人のような人。

 

硝子のお母さんに謝りにいった時、耳から血が出ていましたが恐らく「硝子の痛みを少しでも理解するための誠意」によってピアスを自分でちぎったんだと思います。

 

なのに将也の前では決して苦しい顔をせず笑顔を見せた、ただただすごい。

お母さんの優しさがあったからこそ将也は立ち直ることができたと思います。

 

一番涙したシーン

 

花火大会の最中に硝子が自宅に戻り飛び降りようとしたものの将也が間一髪のところで助ける。

 

しかし将也はそれと同時に落ちてしまい地面へ真っ逆さま。

 

病院へやってきた将也の母に対して、硝子の母と結弦が土下座。

 

外では植野が硝子を責め続け、それを見た硝子の母が植野と喧嘩。

 

喧嘩を止めに入る将也の母と号泣しながら謝る硝子。

 

その光景を見ている結弦の涙。

 

話が良い感じに進んでいっただけにここの流れは本当に心をぐちゃぐちゃにされました。

 

まとまりかけていたものが一気に崩れる恐ろしさ。

感動の涙ではなく悲しさで涙が出ていました(ToT)

 

その後の水門橋での将也と硝子のやりとりも涙が出ましたが、個人的にはこっちの方が本当に心を乱された、悲痛な感情になったという点でこっちを挙げました。

 

美麗な作画

 

聲の形に関してもう一つ触れおきたいことが映像の美しさです。

 

京都アニメーションさんが作画をされているのですが本当に綺麗!

リアルさもあってよくあるアニメとは映像の雰囲気が違ったのですがとにもかくにも綺麗でした!!

 

映画が公開されていたころに同じく上映されていた「君の名は。」がよく作画が綺麗ってテレビで取り上げられていましたが、聲の形も取り上げてよ!って言いたくなるくらい美麗でした♪(*^^*)

 

聲の形から読み取るいじめ問題

 

元いじめっ子というレッテルは残るしもちろんその事実は消えることはありません。

しかしそういった人がいじめを行ったことを悔やみやり直そうとすることは意味のないことでは無いと思います。

 

綺麗ごとのように思えるかもしれないですがいじめを行ったことに対して何も感じない、反省しないよりかは幾分ましでしょう。

 

将也・硝子・結弦・硝子の母のやり取りから見てとれるように『被害者当人の気持ち=加害者当人の反省・償い』という形で理解し合えても、『被害者の親族の気持ち=加害者当人の反省・償い』という風にはならないこともあります。

 

そして被害者側もとにかく受け身になるばかりではなく声に出して周りに助けを求めることが大切なのではないでしょうか。

 

これはとても勇気の必要なことです。

ですがその勇気一つできっと理解者を生み出し状況を打破してくれると思います。

 

最後に

 

映画が上映していた当時は「君の名は。」に隠れてしまい、地上波初放送時は「24時間テレビ」や「ワンピース」に隠れてしまうなどとにかくタイミングが悪く話題になりづらかった聲の形ですが、間違いなくもっともっと世に知れ渡らないといけない作品だと思います!

 

この作品が持っているメッセージ性、それらは自分たちが知らず知らずのうちに背け、記憶の奥底にしまっていることをもう一度見つめなおすきっかけを与えてくれるはずです。

 

 

見たことがある人は、ぜひまだ見たことがない人に勧めてみてください。

この記事を見ている人の中でまだ見てないという人はぜひ見てみてください。

 

 

この記事が聲の形という名作に少しでも良い影響を与えるものとなっていると嬉しいです♪(*´▽`*)

大変長々と綴ってしまいましたが、最後まで見ていただき本当にありがとうございます!!

 

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